お母さんのための滲出性中耳炎教室リターンズ

第7章 聴力検査など

標準純音聴力検査

聴覚検査として、最も基本となるものです。低い音から高い音まで、どの程度聞こえているか、左右別々に検査をします。音がまったくない状態から徐々に音の強さを大きくし、聞こえた時点でボタンを押してもらいます。ですから、乳幼児には正確な検査が出来ないことが多く、そのときの状態や集中力でも結果は左右されます。しかし、5歳くらいでも、なれた検査者が行うと、ほぼ正確で、再現性のある結果が出ます。

(図1)は正常な聴力検査の結果です。赤い線で結ばれた○が右耳、青い線の×が左耳です。グラフの左、低い音125Hz(ヘルツ:周波数)から右にいくほど音は高くなり、右端は8000Hzという高音です。グラフでは、下にいくほど音が強く(大きく)なっており、つまり、聞こえにくいことを意味します。グラフの0dB(デシベル:音の強さ)とは、音がまったくないということではなく、正常者の平均聴力を0に設定しています。ですから、非常に聴力のいい人は、マイナス(グラフ上、0よりも上)ということになります。グラフ上、20または30dB以上を正常と判断するのが一般的です。

もう1つの判断材料は折れ線グラフの形で、(図2)のように低音部は30dB前後であまり大きな低下はありませんが、1000Hzや8000Hzまでが直線状になっていることと比べてはっきりと低下しているため、低音部の聴力が悪くなっているものと判定できます。また、(図3)は両耳とも40dB程度の聴力となっており、軽度の難聴と診断できます。これくらいの難聴があると、注意深く観察していなくても、はっきりと反応の悪さがわかり、家族やお母さんは気づきます。

ティンパノメトリー

もう1つ、滲出性中耳炎には欠かせない検査がティンパノメトリーと呼ばれている検査です。この検査は鼓膜の動き易さを計るものです。検査ではまず、外耳道をピタッと塞ぐように測定器先端を装着します。(図4) この装置は密閉されたAの気圧を変化させながら鼓膜の動き易さを測定します。鼓膜はその内外の圧差がない場合、「Aの気圧=Bの気圧」の場合、最も動きが良くなります。つまり、音を伝えやすくするのです。例えば、Bの気圧が-1気圧であったとすると、Aの気圧が-1気圧に近づくほど鼓膜が動きやすくなります。つまり、鼓膜の動きがもっともよいAの気圧を知ることによってBの気圧(鼓室圧)を類推できるのです。

(図5)がティンパノメトリーの結果のグラフです。縦軸は鼓膜の動きやすさ、横軸は外耳道圧(Aの気圧)を示しています。黒線が正常な結果を表しています。鼓膜の動き易さは大気圧と等しいところ(0)でピークを示しています。黄色の結果はややピークが正常よりも左、つまり陰圧にピークがあり、鼓室内圧が陰圧になっていることがわかります。さらに悪化するとピークが全くない状態(赤い線)となります。

第6章 症状と鼓膜の状態 第8章 治療

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