どの様な小児が滲出性中耳炎になりやすかったり、治りにくかったりするのでしょうか。 この点については種々の研究成果から比較的はっきりしたことがいえます。危険因子(リスク・ファクター)として、さかんに疫学調査が行われているからです。 2つに分けて、記載します。
低年齢、中でも1歳未満の乳児期に滲出性中耳炎に罹患した場合には、その後、繰り返したり、長引いたりしやすいことが知られています。
男児は女児に比べて、難治である場合が多いのです。これらのデータはなぜそうなのかという答えがあるわけでは必ずしもありません。いままでの患者データを集計すると、男児のほうが明らかに多いということからいえることなのです。
未熟児で生まれた場合、特に2300g以下の生下時体重の場合には、滲出性中耳炎になりやすいとの疫学調査があります。
滲出性中耳炎児でアレルギー性鼻炎の罹患率が高いことなどがあり、アレルギーも滲出性中耳炎のリスク・ファクターの1つとして挙げられます。
口蓋裂、頭蓋顔面奇形、ダウン症候群
口蓋裂では、耳管機能が十分ではなく、それは耳管を開放させる筋肉の働きが弱いためといわれています。そのため、口蓋裂児では、しばしば難治性の滲出性中耳炎が見られます。また、トレーチャー・コリンズ症候群などの頭蓋顔面奇形やダウン症候群でも、滲出性中耳炎が難治化しやすいことが知られています。
両親のどちらかが、過去に中耳炎の反復や難治化を経験している場合、その子でも難治化を示しやすい傾向があります。
上気道感染を繰り返すと、滲出性中耳炎の罹患率は明らかに上昇します。さらに、秋、冬のほうが、春、夏に比べて、罹患率が高まります。
保育園に通園していると、特に4歳未満での通園は、中耳炎を難治化するといわれています。その理由は、保育園で他の園児から上気道感染症がうつりやすいためと推察されています。
兄弟がいると、滲出性中耳炎に罹患率が高まります。それは、保育園のときの理由と同様と考えられています。
受動喫煙と中耳炎とのかかわりは繰り返し、指摘されています。
母乳栄養児に比べて、中耳炎の危険性が高いとされています。
以上、滲出性中耳炎のリスク・ファクターとして挙げられているものを紹介しました。しかし、これらの項目はあくまでも、危険因子の1つにすぎず、過度に意識すると、新たな弊害を生むことになりかねません。例えば、中耳炎が難治性の場合、しばしば保育園への通園が槍玉に挙げられ、ご家族を深刻な悩みに陥れることがあります。この点についてはアドバンストでご覧ください。
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